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2013年06月15日

ヘッセの中ではどうだったのかしら? (新潮文庫)。 収められているのは、「紡ぎ女ハベトロット」「ノルウェイの黒い雄牛」「妖精の騎士」「赤い巨人」「小さな菓子パン」「足指をつめた娘」「マーリン岩の妖精」「海豹捕りと人魚」「小姓と銀のグラス」「怪物ドレグリン・ホグニー」「羊歯の谷間の小人ブラウニー」「キツネとオオカミ」「ファイフの魔女」「真実の詩人トマス」「邪悪な王妃と美しい心の王女」「キトランピットの妖精」「アシパトルと大海蛇」「馬商人ディックと詩人トマス」「領主オー・コー」「小人の石」の全20編。 スコットランドに伝わる物語とはいっても、どうなんでしょうね。大抵は世界各地に何かしら似た物語が見つけられるものだし。 例えば「小さな菓子パン」はロシアの「おだんごぱん」そっくりだし、「キツネとオオカミ」なんて、それこそどこにでもありそうな動物寓話。「キトランピットの妖精」は「トム・ティット・トット」や「ルンペルシュテルツヘン」、「足指をつめた娘」は「シンデレラ」、「邪悪な王妃と美しい心の王女」は「白雪姫」のバリエーション。実際、最初読み始めた時は、北欧の民話集「太陽の東 月の西」的な話が多いなあと思ったぐらい。同じヨーロッパ同士、1つの話が各地に流れてバリエーションを作っていくのも当然だし、最早どんなのがどこの国らしい話というのも分からなくなってきてます、私。(汗) それでも詩人トマスの話があればスコットランド(というかケルト)だなあと思うし、「ファイフの魔女」のファイフというのも、シェイクスピアの「マクベス」にも出てきたスコットランドの地名。ブラウニーが出てきたり、7年の間妖精の囚われの身となると聞けば、やっぱりケルト的な妖精物語。どこかで読んだような話だなと思いつつ、ケルトの雰囲気を感じられるから、やっぱりそれでいいんでしょうね。あ、題名は「怖くて不思議な」になってますが、それほど怖くも不思議でもないです。というか、全然怖くなかったです、私は。(PHP研究所)。 そんな気持ちのいい女の子なのに、あんまり仲の良い友達はいないようなのはなぜなんだろう? とも思ったりするんですけどね。貧しいからって馬鹿にされてるのかしら。(確かにそういうクラスメートもいるけど、全員とは思いがたい) 博物館に行って陶器のコレクションを見た時の「使うためのものが、博物館のケースに入れられて、ただ見られてるだけって、かなしそうだって、あたし、いつも思うの。」なんてことを言うのがとても印象的だし、お母さんの仕事先で知り合った少年・ジョンとは、あっという間に仲良くなって一緒に冒険することになるのですが。 この冒険によって、それまでの子供だけの世界だけではなくて、魔法のほうきから繋がる魔法の世界と、必要なものを手に入れるために足を踏み入れる大人の世界と、ロージー自身の世界が広がっていくのがいいんですよね。しかもカーボネルと一緒にアパートの部屋から眺めてみると、ロンドンの町が実は猫の王国とすっかり重なってるし! ごく平凡な日常の中にいるとは思えないほどの大冒険。 優しいロージーは、魔法が解ければカーボネルが自分の国に帰ってしまうのが分かっていながらも、自分にできる限りのことをしようと奔走します。その割に、カーボネルの態度が高飛車のがまた可笑しい。自分が助けてもらう側だって意識はあるのかしら! 子供の頃に読んだ時は、「呼び寄せの呪文」のせいで、目の前のご馳走を食べられずにロージーの元へと急がなくちゃいけなくなったカーボネルの怒りっぷりが印象的だったんですが、今回読んでもやっぱり可笑しかったです。(岩波少年文庫)。

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